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浦崎谺叉琉
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伝聞によると
勘の鋭い電波発信源。
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萌え殺し絵描き。
攻め(責め?)句が上手い。
モノマネちょっとできる。(声系)

だそうです。

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ショートストーリーのつもりでほのぼの的なBLカップリングやギャグや時には真面目なSSを書き込んだりする気まぐれスペース。一時的メモっぽい。
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2024/10/21  12:58:55
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2007/09/08  14:29:58
ヤマアラシのジレンマって言葉、よく聞くけどさ…。あれってヤマアラシ同士が体を温め合おうとすると、自分達の体のとげが相手を傷つけちまって、うまくくっつけねぇ板ばさみの事だよな。

うむ。温めあうことが出来ぬと、二匹とも凍え死んでしまう。

じゃ、二匹とも死んで?

いや、傷つけ合いながらも、二匹はちょうど良い距離を見つけ、温め合えるようになる。それがヤマアラシのジレンマの本当の意味だ。

そっか、その話にそういう続きがあったのか。

我は…。

ん?

我はきっと、そういうことが出来ずに凍え死んでしまうな。






暗い部屋。その真ん中に毛利はへたり込んでいる。
ぼうっとした眼で空のベッドを見つめたまま、今日も夜を更かすつもりだろう。
「なぁ、ちゃんと薬飲んで眠れよ」
そう諭しても、毛利は聞こうとしない。俺の声なんか、耳に届いちゃいない。
「いつかお前まで死んでしまうぞ、元就…」
「明智…」
毛利が固く抱きしめているのは「心に残したい景色」とタイトルに書かれた写真集。
何度も見返して、角がボロボロになった風景写真だ。
毛利と明智の心をつなぐ唯一の思い出。
だが、毛利自身は未だ思い出に変換できないらしい。
明智と過ごした時を。


我は、我のことを理解してくれる存在が欲しかった。
人の触れ合いに飢えている自分にとって、ただの友人よりも、真に安らげる相手が必要だった。
あいつが、そうだと信じておる。今でも。

輝きを失った瞳から涙は流れない。
ここがどういう場所なのかわからないから、戻る道もわからない。


我らは壊れている。それはよく分かっているのだ。
だがこのカタチが一番我らを満足させた。
不毛であっても、幸せだった。



【歪壊協和音】



「好きだ。我と付き合って欲しい」

恋云々にはとりわけ不器用そうな毛利の告白はやはり飾り気のない要望を表した台詞だけで。
それは明智を驚かせるのに充分だった。
「毛利殿にはもっと安らかなる相手が望ましいですよ」
明智自身も恋云々は不得手な方だと自覚している。弁えた上で断りの言葉を口にする。
「我は、お前がいい。」
お前がいいのだ。
そこまで言って、毛利は顔を赤らめ下を向いてしまう。本来なら告白の言葉のみ発するつもりだったのだろう、「明智がいい」と言う言葉は彼にとっては予想以上の吐露になったらしい。
うつむいた表情に加え、今にも泣き出しそうだ。
「…。あの、毛利殿」
「はわ、す…すまぬ。男同士だし、そんな関係は心地よくないこと、わかって…わかっておる」
「毛利殿…」
「ゎ、我の事を…嫌いにならないでくれ!あ、あの…告白の事は、忘れてくれ」
早急に逃げ出したい毛利を、明智は言葉で止める。
「私がそんなにいいのですか?」
「ぅ、うむ…」
「ここじゃ、寒いし…一緒に食事でもしますか」


堕ちる日々、此の時路が定められた事に、気付けようはずがあるものか…。




「よ!毛利。今日お前のシフトだっけ?」
そう声を掛けてくるのは、長曽我部という、ガタイのいい青年だ。人当たりがよく誰にでも話しかける。
「他の者が休むらしい。我は代理で入ってる」
「友達か、そのバイト。誰よ?」
少々ウザく感じるが、これが普通の人付き合いなのだろう…。適当に対応する。
「さぁ、我は話したことの無い奴だ」

ディスカウントショップのバイトは品出しが特にキツイ。体力に自信の無い我は品出しを少なめに、店内の在庫把握・補充支持をメインに動いていた。
物の配置を覚え、何処に何が足りないか…さらにどう運べば無駄な労力を消費せず補充できるかを考えるのは得意だった。
その能力が認められて、今では重いものを無理して何度も運ばなくて済み、尚且つ嫌味を言われない。
「お前って頭ん中に店内の地図が明確に記録されてるんだな。店内配置図見るよりお前に聞いたほうが確実だし」
「定期的に店内の物の置き方は変わるからな…我は覚えたり機転を利かせようとすることを考えるのが好きなようだ」
「はは、俺は体力仕事担当か~。頭が下がるぜ」
いつもの休憩時間。我はよくこの長曽我部と共にその時間を過ごした。

ココアの缶。コーヒーは苦手なので、甘いカフェオレか、ココアを選んでいる。長曾我部はこのクソ寒い日でも冷たいスポーツドリンクなどを飲んだりしている。
「なぁ、お前って彼女とかいんの?」
「唐突だな…。恋人とかは…」
そう言った所で、訳も無く返答に窮した。
「ん?」
「その…一緒に暮らしている相手が…好きだ」
「…。すげぇな。同棲してるのか?」
ぐびぐびとペットボトルの中身を減らしながら更に尋ねられる。
「う、うむ。アイツは家事の合間に株で生計を賄っておる。大きな金儲けは好きじゃないらしくて…いつも家で家事を行なっている。料理がうまい」
「へぇ、いい彼女さんだな」
「かのじょ…」
彼女ではない、とは言えなかった。




バイトから帰ると、いつもの様に明智が出迎えてくれる。
精神的疾病を抱えている我には、就職活動で内定など貰えなかった。
幼い頃から家名の圧力と、一族の視線に晒され続けたストレスは、電車の中でも面接の直前でもパニックとなって体に表れる。
赤面恐怖、視線恐怖、そして今の認知行動療法では定義に入らないらしいが、広場恐怖。
誰かに注目されているんじゃないかと思うと、胸が締め付けられ過呼吸に陥る。
その発作の連続が、回避行動を強化する。
忙しない日々に、カウンセリングに行く事もままならず、結局我は壊れかけてここにいる。
既に役立たずの烙印を押された我は家を離れて、明智の元に身を寄せた。
「今日は相当冷え込んだでしょう。毛利殿は体温がうまく作れませんから」
明智は鍋の中身を掻き混ぜていた。匂いからクリームシチューだとわかる。我の好物をそれとなく作ってくれる明智……。
「体温なら、明智の方が低くて心配になるぞ」
「そう、ですか」
一緒に暮らしてくれる明智は、そんな我を適度な冷たさで抱き止めてくれた。
我にとっては、中途半端な興味と期待を持たれる事が苦痛だった。
親身にされるのは迷惑だ。だから明智ぐらいの態度が最も心地いい。
「ただいま…」
「おかえりなさい」
音としてしか発していない挨拶の言葉。明智は基本的に言葉に心を込めぬ性格なのだろう。
我も、恐らく明智と同じ、はず……。

「いい彼女さんだな」

長曽我部の勝手な想像の中ではきっと、明智は繊細で家庭的でやりくり上手の女性なのだ。
(…女性でない、という点を除けばほぼ正解だが…)
柔らかくて触り心地のよさそうな髪の毛も、細い顎も、整った顔立ちでさえ美しさを一層引き立てるパーツになろうものが、
我より20センチ以上身長が高く、基礎代謝(顔色)が悪い所為で得体の知れない魅力が溢れ出している。


「どうしました?」
「…」
「毛利殿?」
「…ぁ、なんでも…ない」





その日の睦み事も、快楽と極端な苦痛が溶け合った明智の趣向だった。
痛みと脱力に動くことさえままならない我は、「我慢したご褒美」として添い寝を許されていた。
それは我が自分から明智に触れることを許されるひとときであり、恋人であるという実感をもたらしてくれる唯一の機会だった。
本来なら、限りなく不条理な関係であるのだが。

明智は、我をどうしたいのだ…?

ある日、そう尋ねたことがある。

我は明智のしたいことが一向に理解できない。理解などできようがない…。
痛いのも苦しいのも、我は嫌だ。
そう吐露したときも、明智は表情を変えず、
「嫌なら逃げればいいんですよ。私は貴方に首輪を掛けてはいますが、その首輪に紐をつないでいるわけではありませんし…逃げたからといってそれを手繰るつもりはありません」
「そんな事は、聞いていないであろう…」
「おや、そうでしたか。そうですね…ええ。私は、毛利殿を壊したい」
明智がほんの少しだけ、目を細める。
「こわ、す…」
「そうですよ。どのように壊そうとしているかは説明しなくても分かりますよね?」
そう言って明智が我に触れてくる。その仕草に特に意味など無いはすなのに、触れられた瞬間に体が小さく撥ねる。
「ククク、ただ触れているだけですよ」
「ぅむ…」
唇を噛み締めて堪える…。いつもの、明智の無機質な愛撫だ。
「っ…」
「触れているだけなのに、そんな顔をして…みっともない狗ですね」
「…ぁ」
優しい愛撫と、辛辣な蔑みを一緒くたにして我の中に流し込む。涙を堪えて、愛撫を受けることに意識を注ぐ。
本当は、もっと明智が欲しい。暖かい明智が。
でも、明智と我の主従関係で、我はみだりに明智に甘えてはならない事になっている。
それが守られなければ即、仕置きが待っている。

「っあ、ふ…ひぃ! く…ふ……ィ」
辛いのと、気持ちいいのが綯い交ぜになっている。
手足を縛り上げられ、目隠し猿轡の状態で尻に突っ込まれたディルドを乱暴にかき回される。
夢はいつも悪夢。
うつつは苦しみこそが本質。
それが最初に約束された我らの愛。

恐ろしい、我は…明智に囚われている…。

いつの間に、我はこんなにされるままになってしまったのだろうか。
明智の責め苦が心地良い。心は嫌悪しても身体はみだらに受け入れる。
そして我はそのギャップにも感じてしまい、そこまでも融かされてゆく。


願わくば、ずっとこの痛くて甘いひとときに、我を閉じ込めて。
そうすれば、生きる辛さを考えなくてよいから。







病んでる毛利ストーリーも開始します。
浦崎大学時代の心理学の知識なので、ちょっと最新の精神医学・心理学とは相違が見られるかもしれませんが、講義のノートを引っ張り出して
うまくストーリーに組み込めたらいいなぁ……切実な願いw
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