忍者ブログ
ADMIN / ENTRY
プロフィール
HN:
浦崎谺叉琉
性別:
非公開
趣味:
惰眠
自己紹介:
伝聞によると
勘の鋭い電波発信源。
いいひと。
萌え殺し絵描き。
攻め(責め?)句が上手い。
モノマネちょっとできる。(声系)

だそうです。

[ここの動作環境]
OS:
Windows 2000
Windows XP

Browser:
InternetExplorer 6.0
Netscape:7.1
Firefox:1.5
Sleipnir:2.1
Opera:8.5
カレンダー
09 2024/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
メロメロパーク
ムイシュキン公爵(2世)
バーコード
ブログ内検索
ショートストーリーのつもりでほのぼの的なBLカップリングやギャグや時には真面目なSSを書き込んだりする気まぐれスペース。一時的メモっぽい。
<<  2024/10  >>
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 
[97]  [96]  [95]  [93]  [94]  [92]  [91]  [90]  [89]  [88]  [87
2024/10/21  12:26:45
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2007/09/04  22:46:13
夢から醒めた時、起き掛けにも拘らず、
声を上げて泣いてしまっていた。

なぜ泣いている?分からぬ。わからぬ……。
ああでも、ただひとつだけ。

この上なく、切ない……。

翌日の夜は、いつも通るあの道からえらく遠回りになるが、
別の通りを使うことにした。
しかし…。

「よ、毛利。お疲れさん」

缶コーヒーを持って、元親が現れた。どうやら筋金入りのストーキングだ。どうあしらえば良いのだろうか。
仕方なく缶コーヒーを頂く事にする。薬は、入っておらぬよな?
「…」
温かいコーヒーは、初めて飲む種類であったが、ミルクがたっぷりで苦味が少なく、甘くて飲みやすい。
「元就は甘党だったから、きっとコーヒーもミルクたっぷりで甘いの、好きだと踏んでそれにしたんだぜ!」
……。こいつ、今我の心を読んだのか?そんなことはないはずだが。ともかく、元親は我を思い人の生まれ変わりと信じているらしい。
「あの時代はコーヒーなんてなかったからよ、茶菓子の団子や饅頭、俺の分まで奪い取ってなぁ……つーか、俺は元就が甘い物を美味しそうに食うから、それを観ていたくて、自分の分をあげてよ」
ふぅむ、元親の妄想の中の元就とやらも、甘いものが好きなのか。玉子焼きは出汁+甘口派で、饅頭は粒あん派だ。どうでもいいか、そんな事。

「元親は、定職に就いておるのか?見た所…」
住所不定無職ホームレス……ということは口に出さない。
「ああ、俺は戸籍ってモン自体がないから、マトモな就職なんてないぜ。だから、ちょい裏の仕事か、日雇いのバイトをやってる」
「裏の……とは?」
「いわくつきの人物捜索。ほら、よく893とか、いろんな組織に何かしてバックレてるヤツいるだろ?それに軽い刑期で出所した犯人とか。法による制裁じゃ上手く解決しない事を担当しているぜ。堅気の仕事じゃないし、フリーランスだから、たまに以来が来る程度。だからその依頼が無い日は、日雇いの普通のバイトな」
「……」
なんと、ヤのつく自由業関連か。下手に元親を怒らせない方がいいかもしれない。港にす巻きで沈められてしまう。
「まぁ、俺自身は厄介事に関わらない様にしているから、実際の黒い社会とはあんまり繋がりもってねーけど」
「う、うむ……」

カフェ・ラテという名のコーヒーを飲み終えた時、自宅アパートの前に来た。
「ああ、もう家か。んじゃ、俺は帰るな!」
そう言って、元親は軽く手を振って闇に消えた。
「あ…」
(何だ、昨日みたいに家に上がってくるかと思っ―)
な、何故あんな不審者を家に入れる!?
昨日会ったばかりで変なヤツぞ!そんな相手と談笑する気か我の馬鹿!!
それどころか、今日の帰り道はぽかぽかして楽しかったと、感じている自分にものすごく腹が立つ。

だが…。

誰かと世間話したのは、元親が久しぶりだ。
我は他人と談笑する事は、辛いぐらい嫌いなのに。
嗚呼、何か変だ。モヤモヤする。寂しいと表現したくなるが、間違ってもあの不審者元親と一緒に居たいはず無かろうに。

我は誰を、恋しがっているのだろうか。


その晩も夢を見た。

「良かった、山の中に、頑張って迷い込めば…またそなたに会えると思った」
「村の中で、おともだちと遊ばないの?」
桜の木の陰に隠れている少女。季節は初夏で、桜は葉を青々とつけている。少女は"わざと迷い込んだ"我を訝しげに見つめる。
以前、道に迷った我を案内してくれた…白銀の髪の毛の風変わりな少女。
「山の中を歩き、草花や木々に触れ、鳥のさえずりを聴く方が好きだ」
そう言うと、花を咲かせたように少女が微笑んだ。
「じゃぁ、一緒にこの山の中であそぼ」

手を繋いで、けもの道を歩く。
「そういえば、そなたの名を聞いておらぬ。我は、元就という」
「私はね、元親」
「もとちか…男のような名前だな」
「そうよ、だって私、男の子だもの」
はた、と止まり、少女を見る。
「え、ええぇええぇえぇぇえええ!?」


また、夢の場面が変わる。
「元親、そなたは人間というものを軽んじておる。村の人間とは……我以外の人間とは交流などしてはならぬぞ、馬鹿者!!」
なんとなく、泣きじゃくっているのであろう、上ずった声の我。その目前に、頭から血を流している男がいる。その白い髪の毛が一部、血で赤く染まって。
「ははは、平気だぜこの位。俺ァ人間なんかより丈夫に出来ているんだから、そんなに泣くなよ……泣くなって、元就ぃ」
男を、胸元に抱き寄せてすすり泣く我。



目を覚ました我も、夢の中の我と同じように涙を流していた。
夢から現に戻ると、夢の内容はおぼろげになってしまうが、我が話していた相手は―。
元親…モトチカ……。あの不審者と同じ名前。そして同じく白い髪。

「我は、一体……」
どういう事だろう。
あの夢を見ている間、心の底から切なく、そして安らぐのは、何を意味しているのだ?
PR
この記事にコメントする
お名前:
タイトル:
文字色:
メールアドレス:
URL:
コメント:
パスワード:   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Powerd by NINJAブログ / Designed by SUSH
Copyright © すべてがいわゆるねたぶろぐ All Rights Reserved.
忍者ブログ [PR]