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浦崎谺叉琉
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伝聞によると
勘の鋭い電波発信源。
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萌え殺し絵描き。
攻め(責め?)句が上手い。
モノマネちょっとできる。(声系)

だそうです。

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2007/09/02  23:55:05
我は毛利元就。良くもなく悪くもない大学を出たが、就職活動はしなかった現在23歳だ。自分が本当にやりたいことを見据えるため、バイトで日をしのいでいる。
やりたいことが見つかっていないのが、今の我の悩みかもしれぬ。





思えば、人生に"味わい"らしきものが、我にはない。
とりわけ人生自体に絶望しているわけではないのだが(していたら自殺しそうだ)、無味乾燥に思う。
(有意義な人生設計?書物は多く読んでいるし、賭博・酒・タバコは一切しない。身体や財を脅かすものは、我の生き方には不要であり、何より我自身の体質にもそぐわないからだ。)
なのに、我の中では常に"時期を待っている"感覚が離れない。そう、何か未来に起こることを「待っている」のだ。
何を待っているのだ?成功のチャンスか?わからぬ。


だが気になるのは、就職活動中に身体を壊し、熱にうなされて幾度か見た、雨のように花びら降る桜と、その木陰に座っている……何者かの夢。
そやつは、語ることなく気にもたれ掛かり……一つだけ分かるのは、彼が「待っている」という事。

その夢は幻想にしては極彩色の印象が強く、予言にしてはおぼろげ過ぎであった。

きっと、己の中の「自分で何かを成し遂げてゆきたい」という欲求の表れだろう……と割り切ってしまいたかったが、なんだかその夢に同情してしまう。それなのに、一体何をやりたいのか分からない。
これから結婚して家庭を持っていくといった未来のヴィジョンも、とんと浮かんでこないのだ。

家庭というか……結婚以前に、我は女性と付き合うのが苦手なようで、うまくいかない。
誰かを愛す……好きになる……。そうなろうとしたものは全て違和感があって、結局、誰も本気で好きにならなかった。否、なれなかったのだ。
同い年の女子に告白されて付き合ったこともあったが、「毛利君てなんか、うまくいかないね。さよなら」と一週間後に言われたし。


こうしてバイト帰りに悶々と考えても、答えは生まれてこないわけで。
後ろから何者かに腕を引き、振り返らされても"現実感"は浮かぶ事無く次の日常へと向かうはずだった。
「!?」
見知らぬ男が目の前にいる。
若いけど白髪で、しかも眼帯で目つきが鋭いのが。
「な、なな」
男は我の顔から身体をじろじろと見渡し、一通り全身を見たところで
「よし!」
とガッツポーズをした。


「なにが“よし”だ!! 馬鹿者!」


怒鳴るより先に手が出ていた。「ぐぉ!」と悲鳴らしき声をあげてその男は顔を押さえる。むぅ、我のパンチ力では殴り倒すという力技は一生出来ないのだろうな。出来なくてもいい、どうでもいい。
「ま、待ってくれよ」
「待たぬ。直ちに警察にいやそれよりも逃げないと」
人通りのない夜道なので叫ぶよりは通報がよい。携帯を取り出して番号をプッシュしようとしたが、気が動転した所為で177を押していたようだ。
「待て待て。それよりアンタさ、俺を見て何か思い出さねぇか?」
と、己が顔を指差している。
なんだ、コイツ。
「……?」
「なぁ、思い出した?」
「…たしか、そういう手口の詐欺が横行しているような事を思い出した。貴様、我は男ぞ?チカンも結婚詐欺スケコマシなぞも他所でやってくれ。」
「本当に何も思いださないのか、元就」
「な…貴様、何故我の名を知っている?」
「知ってるよ。オメェの事はずっと昔から」
と言って視線を落とす男。
「…き、キモチワルイ!!」
またパンチしてしまった。
「ぎぃ!あ、待て!!」
何とおぞましい。ストーカーまで上乗せされた悪質な犯罪者ではないか。そういえば今年の年賀状は1枚も来ていない。あいつが盗んだ所為だったのか。
「待て毛利!」
「ヒィッ」
後ろから抱き止められ、身動きが取れなくなった。
(ああ我はこのまま剥製にされてこの男の視線を四六時中浴びる悲しき死を向かえるのだ)
「ん…」

我の意識は闇に堕ちた。
人生で初めての失神だ。

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