ケンカの末…。 モ・ト・チ・カ !!日記 Comment(0)

遠距離恋愛って逢いたい時に苦労するから面倒だぜ…。


ブチ切れて電話も何もかもスルーされている俺としては
もう、元就の家に突撃するしかねーし。

行く前にアポとして電話を掛けるが、これもやっぱり返事なし。
ったく、せめてメール読んでてくれよ…。

元就の家の近くまで来て、もう一回電話とメール。




やっぱり無視か…。


家の前に来て、チャイム鳴らす。
反応なし。

…ちきしょー。出かけてるのか？
お互い交換している合鍵で中に入ると、何のことはない。
元就はちゃんと家にいた。

「元就、来たんだけどさ…」
「う…元親。何故ここにいる…？」
だから来たっつてんじゃん。つーか、なんでうずくまってんの？
「腹が…苦しくて」
「痛むのか？おい、大丈夫か…食中毒とか」
え？食いすぎ…って何だこの大量のお好み焼き。

「そ、それは…」
俺が食うと勘違いしてたくさん作ってしまったって？


「いつも一緒に食べているの、と同じ気分で作ってしまった」
いつもは貴様ががつがつ食べるから…その勢いを思い出してがんばって作ってしまった。勿体無いから、自分で全部食そうと…。

「ぷっ…くくく、ははっ…」

「なにが、おかしい…？」

「おかしいっつーか、お前可愛いな」

「何故そんな言葉が出る？」

「残りは俺の為に作ってくれたんだろ？」

「ち、がう…。わ、我と貴様はケンカ中だから、元親の為になぞ作ってやらん。残りも我が…食…す」

「あーもー。ムリするんじゃねぇ。勿体無いんなら俺が貰うぞ。いいな？」

「…そんなに食いたいなら好きにしろ」


腹痛寸前の元就をベッドに放り込んで、俺は隣でお好み焼き（広島風だっけ）を数枚平らげた。丁度夕飯前だったから旨いうまい。

「肉たくさん入ってて、店のよりうめえな」

「うむ…」

「今日はオメェに謝りに来たんだ」

「…反省しておらぬくせに」

「指輪とピアス、勝手に買ってきたぞ」

「…」

「付けてみる？」

「よ、夜に…今日は泊まって行け。その時に…付けてくれ」






無視していた割りに全然怒っていないようだ。
ひょっとして寂しくて気を引くために無視していたのかな？
まあいいや。仲直りついでに元就といい雰囲気になりそうだし。
わがままな奴だけど、元就は可愛いと思う。