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浦崎谺叉琉
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伝聞によると
勘の鋭い電波発信源。
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萌え殺し絵描き。
攻め(責め?)句が上手い。
モノマネちょっとできる。(声系)

だそうです。

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ショートストーリーのつもりでほのぼの的なBLカップリングやギャグや時には真面目なSSを書き込んだりする気まぐれスペース。一時的メモっぽい。
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2006/10/19  01:42:18

素敵な…素敵な獲物を見つけました…。
それはそれはとても美味しそうで、今からじっくりと料理するのが楽しみで堪りません…。

ああ、彼はどんな声で哭くのでしょうか。








「つ…ぅ」
どれほどの間気を失っていたのか、毛利元就はゆっくりと眼を開いた。
(…?)
暗い…。それが夜の所為ではない事は場の空気が教えてくれた。湿気を含んだ、閉鎖的な空間。おそらく地下室だろう…。
(我は…)
視界がだんだん暗闇に馴れてくる。それと同時に己の最近までの記憶を巻き戻す。
(そうだ、我は…)
我は城に帰る途中で……。

「おはようございます、毛利殿」
長い銀髪の男が毛利を見下ろしていた。





【魂響~たまゆら~】


毛利元就と長曾我部元親は瀬戸内海を挟んだ仲……という形容しても理解不能な関係であった。
「よう、あんたが毛利元就だろ?一目見てわかったぜ!!おめぇ細っせぇな」
開口一番から不躾な彼はやたらとこちらが無愛想にしているにもかかわらず何かと声を掛けてきた。
「うどん持ってきたから食おうぜ!」
「讃岐牛もってきたから…」
「じゃこ天好きか?」
「えぶせんと栗林のくりを…」
いつしか彼がたずねて来る事を考える時間が増えた。
戯れに碁を打つ事もあった。いつも毛利が周到に攻め、なんとか窮地を脱そうと頭をかいて悩む長曾我部を微笑ましくも思った。
合戦中、こんな時彼ならどんな風に考えるだろう、と思考をめぐらす事もあった。
そう言う存在は毛利にとって初めてであった。

だから、出会ってから1年経ったある日、
「やっぱ、黙ったままにするのは気分よくねぇから言っとく。俺は元就が好きだ」
そんな風に思いを告げられたのにはさして驚くよりも、納得の方が大きかった。

毛利自身に対する長宗我部の態度はどう見ても好意あっての事で、こちらがどんなに冷たくあしらっても食い下がってくるのはきっと少しでも毛利と一緒にいようとしたからだ。それくらいは毛利もわかっている。特に言葉にしないだけで。
毛利とて憎からず思っていたからそれに応えた。


気持ちと唇と、体を重ねた。
そのまま穏やかな気持ちを教授するつもりだった。
自分に不釣合いなひとときを。
しかし……。



「おい、もう逢わねぇってどういうことだよ?」
「そのままの意味だ。もともと全うな関係でもないに……」
毛利は長曾我部から逃れる様に足早に歩いた。
長曾我部が追いつこうと近寄る。
「俺はお前と…」
「我は貴様のような不粋な輩と恋仲などになるものか!」
「…じゃぁ、俺の片思いのままでいい」
「やめろ、迷惑だ」
「しょうがねぇじゃん、好きなんだよ。一緒にいて楽しいし、嬉しいし」
「我は別に楽しく無い」
「じゃぁ何で俺と寝たんだよ?一緒にいたんだよ!!?」
「ただ気がおかしかっただけだ。忘れろ、あんなもの」
「おい、元就いい加減に…」
「我を気安く呼ぶな!!」
肩を掴れた手を払いのける。とりわけ邪険に。
「ッ!!」
左頬に痛みが走った。元親に叩かれたのだと認識するまでに大分時間が掛かった。
決して長曾我部に対してでは無い方向に睨むと身長差のある彼に胸倉をつかまれた。
「何でそうやっていっつも他所向いてるんだよ!?ただ視線を合わせねぇって事だけじゃねぇ。自分にも定まっちゃいねぇ、根本とか野心とか生きがいとか、好きな事とかもっと奥深いものが…」

ああ、この声は泣いてるな…。我は長曾我部を泣かせたのか。

「…無いのは我が良く知っている」
冷たく、ゆっくりと呟くように言うと、長曾我部の手が緩んだ。

「お前……哀しくねぇのかよ?寂しいだろ、そんな顔して…」
「……」

哀しい?我には……わからぬ。
「なぁ、元就…」
「もう、われにはかまうな…」

そう告げて長宗我部のもとを去った。
振り向かず、それ以上考えず…。





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