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プロフィール
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浦崎谺叉琉
性別:
非公開
趣味:
惰眠
自己紹介:
伝聞によると
勘の鋭い電波発信源。
いいひと。
萌え殺し絵描き。
攻め(責め?)句が上手い。
モノマネちょっとできる。(声系)
だそうです。
[ここの動作環境]
OS:
Windows 2000
Windows XP
Browser:
InternetExplorer 6.0
Netscape:7.1
Firefox:1.5
Sleipnir:2.1
Opera:8.5
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ショートストーリーのつもりでほのぼの的なBLカップリングやギャグや時には真面目なSSを書き込んだりする気まぐれスペース。一時的メモっぽい。
2024/10/21
12:42:54
2007/09/25
11:35:49
結局、深夜の2時過ぎに明知は帰ってきた。
待ち疲れて、寝入っていた我は、ベッドに入ってきた明智に背中からぎゅうと抱きしめられて、少し目を覚ます。
「明智、おかえり」
「ただいま。毛利殿」
待ち疲れて、寝入っていた我は、ベッドに入ってきた明智に背中からぎゅうと抱きしめられて、少し目を覚ます。
「明智、おかえり」
「ただいま。毛利殿」
時々明智は、ふいに出かけて何時間かあるいは丸一日、まったく連絡がつかない状態でふっと帰ってくるという行動をとる。
帰ってきた明智は必ずと言っていい程、何かしらの怪我をしている。
我と付き合う前から。
大学時代に、明智を見つめていた頃から明智は…。
我はそれに対して理由を聞かないでいる。
それでも、疎い我でも明智がパトロンとやらの元に行っているという事は察しがつく。
おそらく明智に暴力を振るう酷いパトロン。
明智は…明智は我と恋人であっても、その愛人に逢いに行く。
きっと、きっとマンションを宛がわれているから、その義務を果たしているのだろう。
でも明智が殴られるのは見ていられない。
ひょっとしたら、我と付き合っていることがパトロンの気に障っているのか?
聞けない…怖くて聞けない。
明智は、そやつの事を愛しているのか?
聞こうとしたことがあったが、その時に「自分にも良くわからないんです…二度とこれに関することは聞かないで下さいね」と念を押されたからだ。冷たい声で。
明智の触れてはならない部分には、間違ってもタッチしてはならない。その禁忌を破って、明智に冷たくされるのは嫌だ。
「明智…傷の手当ては…」
「ある程度してもらったので、結構です。それに、こうしていたら、落ち着きますから」
そうやって抱きしめられていると、手当てに使われたであろう消毒薬の匂いに混じって、男物の香水の匂いがかすかに香る。
(抱かれた…のだろうか。明智が)
「すみません、私は勝手ですね」
毛利殿にはいつも触れるのを禁止しているのに。
「構わぬ。よい…」
心が傷だらけの我と、身体が傷だらけの明智が抱き合って一緒の時を過ごす。
睦み事ではない、安らかなひととき。
ヤマアラシのジレンマは
互いの針がお互いを傷つけあって、上手く暖め合う事が出来ぬ状態を言う。
我は明智を暖めてやることは出来ないのだろうか…。
少なくとも、こうして抱き締められている存在ではあるが、明智は自分から愛人を受け入れに行く。少なからず好意を持っていることも、何となく知っている。
だから、まだ明智とは本当の意味では上手く愛し合えていなくて、付き合えていない。何処か軋んで、傷ついている。
明智の我に対する愛し方も、我にとっては感じこそすれど、いつも強張って恐れて震えている。
何処かわからない場所に向けて、助けを求めているのだ。
それでも我らは不釣合いなようで、上手くお互いを補い合っている。
病んだ我らはどうやって苦しみを乗り越えてゆけばよいのだろうか。
このままでは、きっとお互いもつれ合って沈んでゆくだけだ。
ああ、それでも構わない。
明智と一緒ならば、我は堕ちても…きっと怖くない。
朝になって目を覚ますと、明智は既に起きていて、朝食の支度をしていた。
「おはよう、明智」
「おはようございます、毛利殿」
イチゴジャムを塗ったトーストと、トマトとチーズのオムレツ。ココアにフルーツヨーグルト。
元親の言っていた「いい彼女さんだな」という言葉を不意に思い出した。
「ありがとう、明智」
「どうしたんですか? 急に」
「我は料理をうまく作ることが出来ないから、明智がおいしいご飯を作ってくれるのは、すごく嬉しいのだ」
いただきます。…うむ、オムレツおいしい。ココアの甘さもちょうど良い。
「どうしたんですか、今日はやけに機嫌が良いみたいですね」
「そうか?」
「ええ、顔色も良いみたいですし」
昨日の気分の悪さはどこかへ消えていた。きっと、横になって休んだのと、明智が抱きしめてくれたのが嬉しくて、元気になったのかもしれない。
具合が悪くなってバイトを早引けしたことは言わずじまいになった。
「バイトに行ってくる」
支度した我を、明智は奥さんの様に玄関で見送ってくれる。
「毛利殿」
「ん?なんだ、明智」
「いってらっしゃいのキス、しても良いですか?」
「なっ、え?」
いつもそんなことしないではないか。
「明智、そなたも今日はご機嫌なのか?」
「そうですね。昨日抱き締めさせてくれた、お礼がしたいのです」
「う、うむ。よいぞ」
目を閉じると、柔らかく抱きとめられ、明智が唇を重ねてきた。
少し体温の低い、それでも優しい口付け。
「いってらっしゃい、毛利殿」
「いって、きます」
今日は気恥ずかしくて、穏やかな日だ。
こんな風に、毎日が続けば良い。
この幸せの連続で、深い傷を癒してしまいたいのに…。きっとそれは何日も続かぬのだ。
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