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浦崎谺叉琉
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萌え殺し絵描き。
攻め(責め?)句が上手い。
モノマネちょっとできる。(声系)

だそうです。

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ショートストーリーのつもりでほのぼの的なBLカップリングやギャグや時には真面目なSSを書き込んだりする気まぐれスペース。一時的メモっぽい。
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2007/09/29  15:16:52
こじゅうろうは、雨に濡れてふるえている俺を拾ってくれた。

寒くて、怪我している右の目が痛くって……眠たかったけど。

こじゅうろうがお家に中に入れてくれて、あったかくしてくれたんだ。

こじゅうろうは俺のごしゅじんさま。俺のだいすきなひと。












「こらー!マサムネ !!」
その怒鳴り声を聞いた俺は、一目散にテレビの裏へ走りもぐりこんだ。
「ちょ、コラ。出て来なさい!」
部屋の隅っこにあるテレビの後ろは、こじゅうろうが手を伸ばしても俺を捕まえにくい、格好のポイント。
「こんの、ぅ……玄関の棚の花瓶を、ひっくり…返しやがって、うう」
一生懸命手を伸ばしているところを悪いな、こじゅうろう。
場所を移させてもらうぜ!
「早く出てこ…うわっ!?」
レッツ escape!俺はちょうど玄関の花瓶掃除に開けてあった扉から、外に飛び出した。

「マサムネー!早く戻ってらっしゃい !!」
いう事なんか聞くもんか。こじゅうろうの声する方向とは反対の方に向けて、俺はトコトコ走って行く。
初めての…いや、久しぶり…かなぁ。外の世界。
お家の外の世界を、今日は冒険するんだ!
レッツアドベンチャー!だぜ。


にゃぁ。外にいると、お日様がこんなに気持ちいいじゃないか。
初めて歩くアスファルトの感触と、ごちゃごちゃいっぱいの景色に戸惑いつつも、
ぽかぽかの陽気に俺はご満悦だった。

そうやってしばらく歩いていたら、俺とおんなじくらいの子ども猫がいたから
「よぉ、いい天気だな!」
って、声かけたんだ、けど。
「む、貴様何者だ。我の領地に勝手に入ってきおって…。さっさと立ち去れ!」
なんか、フーフー怒ってる。
「俺な…俺は、マサムネっていうんだ。この名前はこじゅうろうが付けてくれたんだぜ。カッコイイ名前だろ?」
「ふん、我が名はモトナリ。マサムネとやら、一歩下がれ」
「いっぽ?ん、っしょ」
ぴょん、と俺は足一歩分後ろに下がった。
「そう。其処から此方側は我の領地だから、みだりに入るでないぞ」
「分かった。んじゃ、いま俺が立ってるこの場所は、俺の領地にしていい?」
何か、自分の領地持っているのってカッコイイな!
「其処は他の奴の領土だ。我は知らぬ…」
ぷいっと他所を向いて、身体を舐め始めるモトナリ。
よく見ると子どもだけど、体中傷だらけだ。ケンカとかしたのかな…ご主人様にいじめられたのかな?
「何をじろじろ見ておる。我は見世物じゃないぞ」
「なー、モトナリ。俺とあそぼ?俺、ここら辺初めてだから、友達がまだいないんだ」
「……気安く接するな。まだ子どもの癖に」
変な事言うやつ。自分だって子どもじゃん。
「だって、お前俺とおんなじくらいの背丈じゃん。生後五ヶ月くらいだろ?」
「な!我は3歳3ヶ月の大人猫だ!無礼者!!」
モトナリはメチャクチャに怒って毛を逆立て、シャーッと俺を威嚇した。
わぁ、ちょっと。怒るなよ……いた、引っかくなって!
こりゃ逃げないとやばいぞ、慌てて振り返ると何かにぶつかって、俺は尻もちついた。
「よぉ、モトナリ。何やってんだお前」
「わぁ、おっきな猫」
見上げると、俺の三倍大きい猫が俺の事を見ていた。俺とは反対側の目に傷があって、すんごく怖そうな顔。
「見かけねー顔だな。お前」
「う、うん。今日始めて外を歩き回ったんだ」
「モトチカ……貴様何をしにきた」
「あ?ああ、今日はな、山に行ってイタチ獲って来たんだけどよ。喰う?」
いたち?いたちって何だろう。
「喰わぬ……くわぬぞ我はそんなもの。我にはご主人様がくれるツナ缶があるから要らぬわ」
そう言ってモトナリが傍の電柱の陰から缶詰を咥えて引っ張った。
「一生開けてもらえない缶詰じゃねーか。ほら、行くぞ……またお前傷が増えてるじゃねーか」
「施しなど要らぬ!あ、コラ!離さぬか!!…ひぅ」
モトチカがモトナリの首根っこを咥えた。
モトナリが子猫みたいにぶら下がっているのを見たら、二匹は親子みたいな気がしてきた。
「……ふん」
くるん、とモトナリが後ろ向きにひっくり返って、モトチカの背中に乗っかった。
「じゃーな、ボウズ。俺らはこれからメシだから」
「う、うん」
モトチカはモトナリを乗せて何処かへ駆けて行ってしまった。
「……」
親子なのかな?ぜんぜん似ていないけど。


「マサムネ。探しましたよ」
ふわっと抱き上げられたから、ビックリして後ろを見たら、こじゅうろうだった。
「ねえねえ、こじゅうろう。聞いて聞いて!俺、ちんまい猫とおしゃべりしてさ、すんげーデカイ猫に会ったんだぜ!」
「あー、はいはい。それは楽しかったですね」
こじゅうろうの腕の中で、俺はゴロゴロ喉を鳴らした。

お日様の光と、こじゅうろうのにおい。

帰ったらこじゅうろうにご飯をもらおう。

そんで、ひざに乗ってあげて、こじゅうろうを幸せな気分にしてやるんだ……へへ。

明日もいいことあるといいなぁ。






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