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浦崎谺叉琉
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惰眠
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伝聞によると
勘の鋭い電波発信源。
いいひと。
萌え殺し絵描き。
攻め(責め?)句が上手い。
モノマネちょっとできる。(声系)

だそうです。

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ショートストーリーのつもりでほのぼの的なBLカップリングやギャグや時には真面目なSSを書き込んだりする気まぐれスペース。一時的メモっぽい。
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2007/11/29  10:45:11
「おう、テメェ。シノギちょろまかして逃げれると思うたんかぁ?」
「ヒッ!すみませんすみません病気の女房が…」



わ、我は今…元親の「裏」の仕事を見学させてもらっているところである。

「アニキ、今回も助かったけ、これはお礼です」
「どうもー」
元親はあっけらかんとした表情で、サングラスの男(みんなサングラス掛けている。夜なのに)から重そうな茶封筒を受け取っている。
「くっそぉ!てめぇ俺を…ぐっぎゃ!!」
「ところで、今回はあのボウズも一緒だがどうしたんです?」
「ああ、アイツ?いやー、俺ってよく道に迷うからな。今回から俺の手伝いしてくれることになってるんだ」
いかついオッサン(複数)が我を見ている。
「ははは!アニキの方向音痴っぷりは組ん中でも有名ですけぇのぅ。道理で今回はとっ捕まえるんが早かったわけだ」
「んじゃー、特別手当じゃのぅ」
一際強面のオッサンが我に近づき、方をぽんと叩く。
「これからもよろしゅぅな。これでうまいモン食って、大きゅうなれよ!」
と、懐から出した札束を一つ我の手に置いた。
「……」






「おつかれ、元就。…ん?どうした、元就」
「こ、怖かった」
帰宅して暖かい部屋で温かいココアを飲みながら我は半泣きで札束を見つめていた。
「まー、アイツも3000万も横領してとんずらしたんだからな。悪いことはいつか見つかるもんだって。極道でもなー」
アイツとは我らが依頼で探し出してくれといわれた男である。
「でも、あの男。女房がいて生活が苦しかったとか、言っておったぞ?」
「あれは嘘っぱちだ」
「?」
「病気の女房の変わりに、結婚していない関係の女がいる。けど、その女は本命の男がいるんだけどよ。あの男がそれを許さないばかりかヒモ状態で暴力も振るっていたんだぜ」
元親はコーヒーをブラックで啜っている。
「な、何故知っているのだ?そんな事」
「んー、匂いっつーか、色っつーか…そういうものが見えて来るんだよ。鬼の力の一つかもな」
「ふむ…ところで、その悪いことをした男は…」
「さぁ。明日か明後日ぐらいの新聞に、『自殺』として載るんじゃねーか。怖いところだなー」
ニコニコしながら言うそなたの方が怖いわ!と言いたい気持ちを抑えて、ココアを飲み干した。


「こんばんわー。元就君元気かい?」
「お、竹中」
ベランダから竹中とでかい図体の癖に闇に溶け込む秀吉が部屋を覗き込んでいた。
「相変わらず仲が良いな、そなた等は」
「そんなにくっついて飽きないのが不思議だぜ…」
元親がコーヒーを淹れに台所に立つ。それを待つ間、竹中が我に話しかけてきた。
「聞いたよ、元就君。元親君の仕事をお手伝いするんだって?」
「うむ。あまり役立てるか分からないが。今日は道案内を」
「あはは。元親君は方向音痴すごいもんね。僕の家何回も教えて、1年経った頃にやっと覚えてくれたもんねー。元就君の家だって再会前に40回後をつけていたし」
出会って間もない頃にそんなことを言っておったな…だが40回も後をつけられていたのに気づかない我もちょっとアレだと思う。
「あ、竹中。変な事元就に話すんじゃねーよ」
コーヒーとココアを盆に乗せて、元親が戻って来た。竹中と自分用にコーヒー。我はココアを飲む。ちなみに秀吉は飲まないらしい。というか奴はベランダの外で胡坐を掻いて外を眺めている。
「……寒くないのか?」
「秀吉はああやって外の空気の中にいるのが一番心地良いんだって。精霊だから、人間の食べるものは受け付けないし。ところで…」
竹中は砂糖を3本入れたコーヒーを啜りつつ
「傷の具合はどう?」
見知らぬ男に付けられた呪いの事を訊ねてきた。
「今はもうなんともない。あまり人間でなくなったという実感もわかないし」
「元親君の鬼の力が絶大じゃないから、きっと元就君に影響を及ぼすほどじゃなかったのかもね。安心したよ」
これでもね、昔々に暴走した元親君みたいな出来事が、元就君に起こるんじゃないかとヒヤヒヤしていたよ。あるいは拒絶反応みたいなものとか。
「平気だ。そういうのも全くなくて逆に肩透かしを食らったが」
「まるで俺がエイリアンみたいな言い方だな。竹中」
「へぇ、元親君エイリアン観た事あるのかい?エンターテイメントに興味なさそうだったのに意外だなぁ」
「結構ハリウッド映画観るぞ海賊の奴とか」
「元親君って海が似合いそうだね。それにしちゃ肌白いけど」
「」


「…」
盛り上がっている二人をそのままにして、我はベランダに出た。
「えっと、その…」
出てはみたものの、其処に座っている秀吉にどう声を掛けていいかわからず、我は言葉を捜していた。
「やはり、色合いが、違っているな」
秀吉が、我を見据えて言う。白い息を吐く我と違って、秀吉はただ静かに我を見ている。
「?い、色合い」
「人間とそうでないものの、色だ」
「そうなのか。やはり違うものなのか」
元親も我が違って見えるのだろうか…そういえば元親は人の心を見ることができると言っておったな。
「だが、人を食ったりしなければそれ以上鬼になるまい」
「…うむ」
「それから、人間より寿命が延びるから儲けものと思うべきかもしれん。あの鬼は孤独だったからな」
元親が、孤独…。そうだな、あやつは人にとても酷い仕打ちを受けた。
「…永遠ではないにせよ、元親と我が共に居られる時間は増えるのだな」
それが元親にとって支えになればよいが。
「愛しておるか?あの鬼を」
「……えっと…愛して…か」
前世で愛していたということを思い出し、それを今の我に乗せているが…それが今の我の本心かどうかは分からない。ただ時々、懐かしい想いが溢れすぎて切なくなるのが嬉しいと思う。だから、今の我もその想いを大切にして、そして新しい思い出を作ってゆきたい。
「うむ」
我の頭を撫でる巨大な手。我の顔より大きい。
しかしその動作はとても温かく優しいものであった。
「……」
後に竹中から「なでなではね~秀吉の親愛の仕草だよー」と聞いた。
きっとこやつも竹中という人間が傍にいるから、いい奴なのだな。







久しぶりのシリアス。
段々このSSと同じ気候になってきて書きやすいです。
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